ZenWiFi AX Mini (XD4) 購入(メッシュWi-Fi・有線バックホールを構築)
ZenWiFi AX Mini (XD4)購入
以前の記事で自宅用にZenWiFi AX (XT8)を導入した話を書きました。
XT8 は自宅で快適に利用しています。
Wi-Fi 6 対応とはいえ、各個別端末との通信速度はそこまで速くありませんが、通常の使用において遅いと思ったことはありません。
トライバンドということもあり、安定性は抜群です。
そして実家用にZenWiFi AX Mini (XD4) を購入しました。エントリーモデルではありますが、Wi-Fi6 対応です。
XT8 は2台セットにしましたが、自分が XD4 を購入したときは、なぜか1台ずつ購入した方が安かったので、1台×2を購入しました。
他のルーターと組み合わせて使うとかでなければ、通常は複数台セットで購入した方が良いと思います。多分価格も本来ならば安くなるはずです。
台数については環境に応じて増減してください。1台から3台セットまであったりします。
今回は、有線バックホールも構築しましたが、単に有線LANで接続したというだけで複雑なことは行っていません。詳細は後述します。
実家ではこれまで、バッファロー製のWi-Fiルーター(Wi-Fi 5)と中継機で十分なんとかなっていたのですが、将来を見越してメッシュWi-Fiを導入することにしました。
自宅とは違い、実家は端末の接続台数もかなり少なくて、XT8 では明らかにオーバースペックなので、エントリーモデルの XD4 を選択しています。
他メーカーの製品も検討したのですが、自宅で XT8 を快適に利用できているという実績があったのと、有線バックホールを構築する予定だったこともあり
他メーカーの類似機種よりも細かい設定ができそうだ、というのもASUS製を選んだ理由です。
初期設定後は設定を頻繁に変更することはあまりないと思うので、そこまでこだわらなくてもいいかなとは思ったのですが、XT8に慣れたのもあって、設定を変更することがあっても戸惑わないかな、と。
有線バックホール対応というだけであれば、他メーカーの類似機種でも対応している製品は多いです。
XT8 との比較
XT8 と XD4 どちらもWi-Fi 6 対応です。
そしてそもそも、XT8 と XD4 で各端末との通信最大速度は変わりません。
大きな違いは XD4 はトライバンドではなくデュアルバンドなので、バックホール専用バンドはありません。
XD4 の場合、有線バックホールを使用しない通常の設定だと、2.4GHz と 5GHz のうち、一方をルーター(親機)とノード(子機・中継機)の通信(バックホール)に使用し、もう一方を各端末との通信に使用することになります。
その他、有線LANの仕様など、XT8 の方が上位機種なのでいくつか差異はあります。
ただし今回の環境だと影響は特にないのでここでは省略します。(必要なら公式HP等参照ください)
大きさはとても小さいです。せっかくなので、XT8とXD4を並べてみました。
奥行は XD4 の方が若干大きいのですが、XT8 と比較してかなり小さいというのは画像でもわかると思います。
XT8 もアンテナ内蔵ということもあり、そこまで大きいという訳ではないのですがXD4 はとてもコンパクトです。
宅内機器設置場所の変更(なぜメッシュWi-Fiなのかというはなし)
なぜメッシュWi-Fiなのか
接続台数が少ないのに、なぜメッシュWi-Fiを導入するのか?というのは、ルーターの設置場所の問題と、ネット環境の影響があります。
設置場所の話については、説明するのがなかなかに難しいので省きます。
実家のネット環境は、マンション一棟丸ごと(全戸一括)の契約になっているため、各住居にはモデムが設置されておらず、宅内にはスイッチングハブがあるのみです。
各住居にやってきたLAN配線は玄関に置かれたハブ経由で、さらに複数の部屋のLAN接続口に分配されています。
これまでは、そのうちの一つ部屋のLAN接続口に Wi-Fiルーターをぶら下げていました。
ノード(子機・中継機)はこれまでWi-Fiルーターを置いていた場所に設置します。
ルーターからノードの経路としては、スイッチングハブの先にあるLAN接続口に接続することになり、ハブを挟みますが、有線バックホールを構築予定です。
実際の配線図
文章で書いても分かりづらい気がして、簡略化した図で書いてみました。
左がこれまでのWi-Fiルーター+中継機の構成、右がこれから構築予定のメッシュWi-Fiの構成です。
左はルーターから中継機の通信は無線です。右はルーターからノードの通信はハブを経由しますが有線です。
宅内にモデムはないので図にも記載していません。左の図で言うとハブのさらに上流にモデムがあるイメージになります。
図にも一応記載していますがどちらであっても、PCやスマホから「ルーター or 中継機」「ルーター or ノード」のどちらに対しても無線接続することは可能です。
※右の図でスマホからルーターへの無線接続についてハブを経由しているように見えなくもないですが、無線なのでハブを経由しているわけではありません。
英語とカタカナ混在してたり、適当に書いてしまった図ですが、ご容赦ください。
実家の環境では、ルーター(親機)+中継機とするより、メッシュWi-Fi を有線バックホールで構築できればスッキリしそうだと考えたのと、現在有線接続している PC も今後は無線接続にしてもいいかなと思ったという判断なのです。
あと、プリンタを買い替えた時に無線対応のものにしてしまおうと思っているいることも影響しています。
各機器の位置関係の説明がないので、この図では伝わらないかもしれません。許してください。
無理やり説明すると、メッシュWi-Fi導入前は、ルーターを置いている部屋Cからの電波が、部屋Aに届きづらかったので間にある部屋Bに中継器を置いていました。
メッシュWi-Fi導入後は、ルーターの設置場所が部屋Aと部屋Bに近くなる一方、部屋Cからは遠くなるため有線バックホールで接続したノードを部屋Cに置いたという感じです。
安定性重視
有線バックホールを構築できれば、バックホール専用バンドのないXD4でも、通信はそこそこ安定するはずです。
仕様上の最大速度で考えると、5GHz の Wi-Fi の方が速いことになりますが、有線バックホールのメリットは速度よりも安定性だと思っています。
そもそも、メッシュWi-Fiのメリットは何よりも安定性です。設定やメンテナンスが簡単になるというメリットもあります。
なので、理論上の最高速度だけではなく、それ以外の要素で選んでいます。
バックホール通信を有線に委ねられると、バックホール専用バンドのないXD4 であっても、無線通信は2.4GHZ 5GHz 両方とも端末との通信に割り当てることができます。
多段NAT(二重ルーター)構成にはなりますが、自宅も多段NATで運用していて不具合は発生していません。
これまでもWi-Fiルーターから先は多段NATでしたので、気にしないことにします。
初期設定と有線バックホールの構築
初期設定(ルーター)
有線バックホールの構築をするつもりなのですが、初期設定でいきなり有線バックホールを構築すると、ややこしくなりそうな気がしたので、初期設定は有線バックホールは使用せず、無線で設定します。
一旦、ルーター(親機)と、ノード(子機・中継機)を近くに置いて設定します。ルーターは予定通りスイッチングハブの前に接続、ノードは仮でルーターの近くに設置。
ちなみに2台セットでも、全く同じものが2台同梱されています。
※厳密に言うと初期設定用SSIDは異なるものが設定されていますが、初期設定終了後に同じSSIDになります。
今回はセットではなく単体を2台購入してしまったので、まず先にルーターを設定し、後からノードを追加する方法でセットアップを行いました。
どちらをルーターにするかは接続方法で決まります。モデムなどに接続された方がルーターとしてセットアップされます。
今回モデムが宅内にないという状況なので、乱暴に書くと、上流に置いた方が自動的にルーターになります。1台のWANポートにLANケーブルを接続して、もう1台は何も接続しない。という感じです。
PC からブラウザ経由でも設定はできますが、XT8 の設定時にスマホの設定用アプリをインストール済だったので今回もそれを使用します。
配線を間違えていなければ環境は自動判別され、IPアドレスなどの情報も上位のモデムやルーターからDHCPで自動取得することがほとんどなので設定はほぼ自動で進みます。
XT8 で経験済なので、初期設定はそこまで苦労していません。
セットアップの前に
・(Wi-Fi)SSIDとパスワード
・管理画面にアクセスするためのユーザーIDとパスワード
をあらかじめ考えておくことをオススメします。
ルーターの設定後にノードを追加する方法でセットアップする場合は、それぞれの初期設定用 SSID (本体に記載があります)を控えておくと迷わずに済みます。
デフォルトの設定では、2.4GHz と 5GHz のSSID は同じものになります。
異なるものにすることも可能ですが、メッシュWi-Fiなので「どちらの周波数なのか」「ルーター・ノードどちらに接続されているのか」など特に意識せずに利用できるので、こだわりがなければデフォルトのままで良いと思います。
最終的に有線バックホールを構築予定なので、各端末との通信は2.4GHz だろうが 5GHz だろうが、どちらでもいいやという感じで、XT8 の設定時と同じようなことを思いました。
端末側が 5GHz 対応であれば、端末の方から 5GHz 優先で接続するのかなという気もします。
初期設定(ノード)・有線バックホール
ルーターの設定が終了したら、ノードの設定ですが、アプリからノードの追加を指示するだけで良く、数分間ただ待つだけで終わりです。
ルーター、ノート共に初期設定が終了したら続いて有線バックホールの構築です。といっても設定済のノード(子機・中継機)を本来の設置場所に移動させて、WANポートに有線LANを接続するだけです。
有線接続にして起動すると、XD4 の方で自動的に判別されて、有線バックホール接続になりました。
電波強度などを考慮して、有線と無線が自動的に切り替わるようですが、有線バックホールを優先にすることもできるので、設定しておきました。
間にある スイッチングハブも特殊なものではないので、有線バックホールの設定後も特にトラブルは発生しませんでした。
その他の設定
初期設定から変更したのは、上記の他に「ファームウェアの自動更新設定」「自動再起動(スケジュール設定)」くらいです。
その他かなり細かい設定も可能ですが 、アプリのみでほぼ完結します。必要であれば、PCからブラウザ経由で管理画面にログインすることも可能です。
自宅からリモートで設定をする可能性を考慮して、リモート接続の設定を行うか迷いましたが、DDNSの設定やWAN接続の開放などが必要になるので、そこまでして設定する必要はないかなと思い一旦見送りました。
設定に30分から40分程度かかりましたが、物理的な設置作業にかなり時間が取られたので、純粋な設定時間はもう少し短いと思います。
余談とまとめ
余談というか、細かい話ですが
ASUS のホームページで、説明書のPDFファイルを探したところ、クイックスタートガイドは見つけられたのですがユーザーマニュアルについては、日本語版を発見できませんでした。
初期設定は日本語でできますし、管理画面も全て日本語化されているので、マニュアルが無くてもなんとかなるとは思いますが、XT8 には日本語PDFマニュアルはあるのになぜだろう?と思いました。
XT8 の記事にも書きましたが、メッシュWi-Fi を導入しようとすると、ルーター+中継機 の組み合わせよりコストが若干高くなる可能性があります。
その代わり、通信の安定性はかなり増しますし、機器の管理をひとまとめにできて、とても楽になるのでオススメです。
XD4 であれば、デュアルバンドであることなどを妥協できれば、XT8 より安価に入手できます。
「端末からの接続が2.4GHhzでも5Ghzでもどちらでも気にしない」「接続機器が少ない」といった場合はXD4でも十分だと思います。
最後に念のため付け加えると、すでに書いたように XT8 も XD4 も各端末との通信最大速度は、そこまで速くないので、速度にこだわる方はルーター(親機)はゲーミングルーターと呼ばれるものなど、もっと性能の高いものを導入することなどをご検討ください。
ASUS であれば、ルーターはAiMesh対応の高性能のものを導入し、ノード用に XT8 や XD4 を追加するなんていうこともできます。
改めて、XT8購入時の記事です。
おまけ・前回同様impressさんのXD4レビュー記事を貼っておきます。